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元院生が研究過程で収集した資料の貯金箱。
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含み資産(テレビ朝日の株式)を持つ内国法人の外国子会社が著しい第三者有利発行増資を行い、オランダ法人の子会社になった。結果として日本はその含み益に課税することはできなくなった。

そこで課税庁は、外国子会社が行った第三者割当増資(資本取引)について、内国親会社がオランダ法人に子会社株式を寄付したものとして課税を行った。

① 資本取引に対して法人税法第22条を適用できるか
② この場合の株式の時価について、法人税相当額を控除できるか



第一審 平成12(行ウ)69 平成13年11月9日 東京地裁(納税者勝訴)
① 親会社は何もしていないから、親会社の取引とは言えず、22条を適用することはできない。
② 親会社の行為・計算ではないから、132条を適用することはできない。
③ 含み資産を売却した訳ではなく譲渡益が実現していないから、法人税を不当に減少させるという132条の前提条件を欠く。

控訴審 平成14年(行コ)1 平成16年1月29日 東京高裁(原判決取消)
① 結果として子会社の支配権が移転しているから、22条の「無償による資産の譲渡」に該当する。
② ①で十分だから、132条による否認は判断を要しない。
③ 本件では、株式の時価算定にあたり、法人税相当額を控除しないのが相当である。

上告審 平成16(行ヒ)128 平成18年1月24日 最高裁第三小法廷(原審破棄差戻し)
① 22条の「無償譲渡」に該当する。
② 株式評価は、法人税相当額を控除すべき

差戻し控訴審 平成19年1月30日 東京高裁

(第一審評釈)
武田昌輔「税法上の事実認定問題管見」税務事例2002年10月号 P.6-
川田剛「外国子会社による第三者株式割当てと内国法人への寄付金課税」税務事例2002年6月号 P.1-
村重廣一「法人税法22条2項及び同法132条1項1号を適用した法人税の更正処分が違法とされた事例」税務事例2002年9月号 P.9-
川端康之「外国子会社への現物出資の圧縮記帳」税研18巻11号(2002)
占部裕典・楠元雅一「第三者割当増資における有利発行と課税」税経通信58巻7号(2003) P.193-

(控訴審評釈)
中里実「『租税法と私法』論再考」税研2004年3月号 P.74-
渡辺充「法人税法22条2項と新株の第三者割当ての課税適状―オウブンシャホールディング事件(控訴審判決)」税務事例2004年8月号 P.1-
大淵博義「海外子会社の有利発行による第三者割当増資による親会社の割合的持分の減少に伴う譲渡収益課税の可否」第50回TKC租税判例研究会実施結果報告その1
八ッ尾順一『租税回避の事例研究』清文社(2005) P.194-
占部裕典「法人税法22条2項の適用範囲について」税法学551号(2004) P.34-
渕圭吾「オウブンシャホールディング事件に関する理論的問題」租税法研究32号(2004) P.42-

(最高裁判決評釈)
大淵博義「判例法人税法講座・第1回」税経通信2006年3月号 P.25-
森康博「在外子会社の第三者有利発行増資による価値の移転と法人税法22条2項」税務弘報2006年4月号 P.53-
橋本守次「租税回避をめぐる最近の最高裁判決の検討―第1部・外国子会社が行った外国関連会社への新株式の割当てと親会社への課税処分(前編)(後編)」税務QA2006年5月号 P.25-、6月号 P.31-
川端康之「最近の最高裁租税判例について」国際税務Vol26/No.9 P.43-

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元大学院生
自己紹介:
資産税が中心になると思います。

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まだまだ勉強中の身で、自分の主張も180度変えたりします。ご批判をいただければ幸いです。
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