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元院生が研究過程で収集した資料の貯金箱。
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賃貸用不動産を相続によって取得し、引き続き事業の用に供した場合、その登記費用は必要経費に算入されるか。

平成18年6月8日国税不服審判所裁決は、平成10年1月30日大阪高裁判決、平成12年7月7日最高裁判決を拠り所に、所得税法第45条第1項第1号の家事上の経費に該当すると判断し、必要経費算入を否定した。

(参考資料)

国税不服審判所裁決事例集No.71 P.118
タビスランド判例速報(国税不服審判所裁決)

所得税法第45条第1項第1号
所得税法施行令第96条(家事関連費)
所得税基本通達37-5(固定資産税等の必要経費算入)
(上記通達は平成17年2月1日最高裁判決(いわゆる右山ゴルフ会員権訴訟)を受けて見直されたとされている。

大阪高裁 平成9(行コ)6 平成10年1月30日
最高裁 平成10(行ツ)122 平成12年7月17日第一小法廷判決

最高裁 平成13(行ヒ)276 平成17年2月1日第三小法廷判決(いわゆる右山裁判)

(感想)
取得税は、その資産の取得費ではあっても、不動産所得の経費ではないという判断なのでしょう。
このあたり、法人の取扱(法基通7-3-3の2)と異なるのは気になりますが、法人税の取扱のほうがイレギュラーだという主張もできます。でなければ、不動産所得の経費で控除した上で譲渡所得でも取得費として控除されるという二重控除を招きかねません。
しかし、まだつっこみどころは多そうです。

参考にすべき通達をまとめると、以下のとおりとなります。
所基通38-9 (非業務用の固定資産に係る登録免許税等は、取得費に算入する)
所基通49-3 (一定のもの以外の減価償却資産に係る登録免許税は、取得価額に算入しない)
所基通37-5 (業務用固定資産に係る登録免許税等で取得費に算入されないものは、必要経費に算入する)

37-5にいう「業務用固定資産に係る登録免許税で取得費に算入されないもの」とは、49-3にいう「一定のもの以外の減価償却資産に係るもの」は該当するのでしょうが、だからといって、それ以外がすべて「取得費に算入するもの」に括られるのかどうかは、...わかりません。

非業務用なら、38-9の適用を受ける、
業務用なら、49-3で判定し、49-3の適用を受けたものは、37-5の適用を受ける。
では、業務用で49-3の適用を受けなかったものは?

今回の判例は、この部分の判断だと思われます。
最高裁平成10(行ツ)122 平成12年7月17日第一小法廷判決 を見ていないので、なんとも言えません。

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Coolhage
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非公開
職業:
元大学院生
自己紹介:
資産税が中心になると思います。

記事内容は随時加筆・訂正しますので、投稿日はあてになりません。

まだまだ勉強中の身で、自分の主張も180度変えたりします。ご批判をいただければ幸いです。
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