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死亡退職金は、被相続人の死亡を原因として、遺族に支払われるものであり、被相続人の財産には該当しないため、民法上の相続財産ではありませんが、実質は同じなので、相続税法では、「みなし相続財産」として、課税の対象になっています。

しかし、なぜか、公務員の死亡退職金は違うようです。

公務員の死亡退職手当の受給権は、遺族固有の権利であるから、みなし相続財産には含まれない。
(金子宏『租税法[第11版]弘文堂』(2006)P.472)



鳥取地裁 昭和50(行ウ)1 昭和55年3月27日 行裁例集31巻3号P.727

金子先生が参照された上記判決の概要は、以下の通りです。

ある公務員Aが死亡し、その子Bは相続放棄をしたが、退職金は子Bに支給された。そこで、子Bの相続放棄により相続人となった父が、退職金を自分に払え、と訴えた、という事例です。

そして判決は、死亡退職金は遺族の固有の権利であるので、相続放棄の有無には関係ない、として、父の請求を却下しました。

判決自体は妥当なもので、結局、死亡退職金は相続財産ではない、と言っているにすぎません。

相続税法も、死亡退職金は、民法上の相続財産ではないことを認識した上で、死亡退職金を相続財産と「みなす」と別に規定をしているわけです。

国家公務員退職手当法第2条第1項の文言では、常時勤務に服することを要する国家公務員が退職した場合に、その者(死亡による退職の場合には、その遺族)に支給する、とあり、
相続税法第3条第1項第2号では、「被相続人の死亡により相続人その他の者が当該被相続人に支給されるべきであつた退職手当金」がみなし相続財産の対象になっています。

したがって、公務員の遺族が受け取る死亡退職金も、一般企業の死亡退職金と同様、みなし相続財産として課税の対象となると思うのですが、いかがでしょうか。


税法の話ではないのですが、死亡保険金や死亡退職金が、民法上の相続財産に含まれないという考え方は、現代の慣習にそぐわなくなっていると思うのですが、どうでしょうか。。。
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